7.28.2013

46_就活言論 宮台真司_06

「.. ただ、僕はそうした不動の道者としての性質が、どんなレベルであれ、公的なものを志向するものであってほしいと思います。あたかも曼荼羅のように、見る人が見れば、どんなミクロな手段にも、マクロな目的と同型の『何か』が宿っていてほしい」
「ユニセフで働きますとか、無医村で医者になります、というようにいかにも公的な目標に見えつつ、実はそこに向かおうとする動機が承認欲求という私的エゴイズムにすぎないという『よくある話』を言うのではありません。見えないものにこそ天使が宿るのです」
「今から100年前にマックス・ウェーバーが記しています。労働者をもっと働かせようと思って、倍働いたら倍払うぞと激励する。倍貰えたら倍働く。それが近代社会では当たり前だが、伝統社会では、倍もらえたら半分しか働かないのが当たり前だった、と。」
「こうした社会学の思考に親しんでいれば、仕事であれ消費であれ、自己実現に向けた強い動機がある場合には、それによって埋め合わせられねばならない不安や空隙があるのではないか、と疑うのが自然になります」
「人間が何か先験的・超越的な価値を実現するために生まれてきたなんてことは絶対にあり得ない。まして、超越的な価値を実現しなければならないなんてことも絶対にあり得ない」
「.. 古来、人は、昨日あるように今日あり、今日あるように明日もある、というような生活をしてきました。そうやって何万年も何十万年も生きてきた。これからもそれが続くしかありません」

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