4.28.2014

「あなたが変われないのは実は変わりたくないから?!」_02

「もうひとつの解釈ね.. フロイトもマルクスも19世紀の思想家なんですね(アドラーも19世紀)。アドラーの思想というのは19世紀には異色なんですね。フランス革命以降の百数十年ということで、反啓蒙的なんですよ。人間存在というのは理性的でもなければ知性的でもなくて、非合理な存在なんだ。したがって、人間も社会も見えないものによって規定されているんだ、という理解が非常に進むんですね。例えば上部構造は下部構造の配置によって実は規定されているんだ、あるいはわれわれの意識は、われわれの無意識ないし前意識によって規定されているのだ。我々が見えないものによって規定されているのだ、ということが19世紀的なもので、これが実は20世紀の、本当は戦間期に本当に知的な層によって否定されていくんですよね」
「でもこれが大衆的には非常に残っていて、自分が不自由なのは、実は『見えないもの』によって規定されているからだ。見えないものというのはね、過去のトラウマだとか、見えない階級的な構造なのだ、とか言われるとね、ある種の気づきが得られたようにね、カタルシスが起こるんです。そうか!おれはだまされていたのか!とかね、規定されていたのか!とか。『規定されていたことに気づく』ことが『自由』だというふうに思いがちなんですよ、それはね」
「ぼくを含めてね、みんな小さいときに、中学生の頃に、フロイトを読むんですよ。結構ね。『そうか、おれは、トラウマによって構造化されたある種の無意識によって規定されていたのか』と気づくことで溜飲を下げるということがあった」
「でね、見えないものを見るのが精神科医で、見えないものを見ることによって、ぼくたちに解(solution)与えてくれる、そのことによってアカデミーの権威が維持できるんです」

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